気功施術から見た腰痛について
腰痛は、その80%が原因不明と言われています。それはトリガ-ポイントが多岐にわたり、
体幹のみならず手や足にも存在するからです。
トリガ-ポイントを見逃しているため、治りの悪い腰痛となっていることが多々あります。
ここでいくつかの施術例を紹介いたします。
①30歳代女性
●症状・・・10年来の腰痛。
●施術・・・トリガ-ポイントは両大腿部内側面。
2回施術で痛みは消失。
原因として学生時代チアリ-ダ-部に所属し急激な開脚で両大腿内側面に負荷がかかり、腰痛となったと思われる。
②60歳代女性
●症状・・・もともと腰痛あり。原因不明で急激に悪化。総合病院で種々検査するも異常なしといわれる。外出時、自力で歩行できず、自転車を支えにして歩行。
●施術・・・トリガ-ポイントは大腸経の経絡上、肺の経絡上の硬さ。及び右下腿部外側部の古い打撲のあと。週2回3か月の施術で痛みは消失。
小児のころより、腸及び呼吸器が弱かったとのこと。それが経絡上の硬さに繋がっていたと思われる。
③30歳代男性
●症状・・・腰痛歴8年。マシ―ントレ―ニングを行い中に悪化。都内某総合病院でヘルニアと診断され、手術することに。手術3日前にやはり手術をしたくないと来院。
●施術・・・右半身全体的に硬さあり。胃の経絡に沿って硬さが出ていたので尋ねると「胃は子供のころから弱い」とのこと。初回施術で痛みが半減し、手術を断り通院を継続。計7回の施術で自覚症状としての痛みは消失。
④40歳代女性
●症状・・・腰痛歴20年。学生時代バスケットボール部で部活中に痛めたとのこと。
●施術・・・右腹筋部、左下腿部外側部に硬結あり。右腹筋部は腰痛を治すために腹筋のやりすぎによるもの。左下腿部はバスケットボ―ル部時代の捻挫の後遺症的なもの。同部位を調整施術、8回でほぼ痛み消失。
⑤50歳代女性
●症状・・・2か月前より腰痛。
●施術・・・トリガ-ポイントは右ふくらはぎ、右足うら、腎の経絡上の硬さあり。腰痛が出る前に夜中に右足がひどくつったとのこと。腎のエネルギ-が低下すると足がむくみしばしば足がつりやすくなる。 腎の経絡は足うらの湧泉から発するので、足うらの調整は必須。
4回施術にて痛みは消失。
⑥20歳代男性 メジャ-リ-ガ―
●症状・・・腰痛。アメリカでヘルニアと診断され手術を受ける。手術は成功するも痛みが取れずオフシ-ズンに来院。
●施術・・・トリガ-ポイントは足の太陽膀胱経(頭部から背面を通り足小指側に至る)。
ポジションがピッチャ-で投球時に体を回旋させ腰に負担がかかるという点、東洋医学的に言うとアメリカという地で食事が合わず消化器系に負担がかかり胃腸のエネルギ-が弱っているという点。東洋医学陰陽五行論相生相克関係にもとずき、胃腸のエネルギ-を調整しつつ膀胱経絡上の硬結を緩める。2回施術で痛み消失。
今、6人例をあげましたが、その人の体質や、過去の怪我、飲食の嗜好、
体の使い方のくせなどが反映されている場合が多いと思われます。
トリガ-ポイントが思わぬとこにあり、その為いつまでたっても治らない原因不明の腰痛となっているようです。
ちなみにトリガ-ポイントに対する自覚症状(痛みなど)は全くありません。